インフォメーション
プロフィール
HN:
ぱくどら
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1986/12/11
趣味:
野球観戦
自己紹介:
小説家になろうで作者登録しています。
作品一覧
文章構成も文章表現も下手だと思います。。なんとか皆様の心に残るような作品を書くことを目標に頑張っています。
隠れ家のpassは syousetukaninarou
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category:自作短編
すいません。かなり時期が違うんですが、サモチェリでバレンタインネタを書いていたんです。
その存在を思い出し、保存していたものをこちらに載せてみようかなぁと思います。
タイトル
【バレンタイン】
あらすじ
【真一はその日を心待ちにしていた】
登場するのは、真一・ヨウです(*´∀`) 短い作品ですので、携帯でもすんなり読めるのではないかと思います。
なお、本編とは全く関係ありません。完璧に作者の遊びです。あしからず。
読んでいただけたら嬉しいです(*´∀`)
その存在を思い出し、保存していたものをこちらに載せてみようかなぁと思います。
タイトル
【バレンタイン】
あらすじ
【真一はその日を心待ちにしていた】
登場するのは、真一・ヨウです(*´∀`) 短い作品ですので、携帯でもすんなり読めるのではないかと思います。
なお、本編とは全く関係ありません。完璧に作者の遊びです。あしからず。
読んでいただけたら嬉しいです(*´∀`)
◇ ◇
ある町のある一室。窓の近くに置かれる椅子に腰掛け、まだ暗い夜明け前の空を見上げていた。窓越しから見える星は淡く光放ち、遠くの山の影からはうっすらと光が漏れつつある。
もうすぐ夜が明ける。
ある意味、男にとって勝負の日なのだ。といってもそれは地球にいる時の話だったが……。
「……なんじゃ……もう起きとんか」
「あぁ」
ベッドから眠たい目を擦りつつ、ヨウが顔を出した。
「今日はこの町でゆっくりするんじゃろう? わしはまだ寝るぞ……」
「おやすみ」
再び頭から布団を被ると、再び規則良く布団が浮き沈みを始めた。小さな寝息が真一まで届く。
思わず頬を緩め、再び外を眺める。――もうすぐ夜が明ける。
◇ ◇
「なんじゃその顔は。ぶすっとして」
「……そんな顔してねぇよ」
とか言いつつも、ヨウを睨みつける。眉に皺を寄せ、視線を落としている具合からどうやら機嫌が悪いらしい。昨日はうきうきとしていたはずだった。それが今朝からこの調子である。
「もうこの町には用事はないじゃろ。行くならさっさと行ったほうがええんじゃないか?」
「わかってる、今から出る準備すりゃいいんだろ」
というと、だるそうに立ち上がり、トートバックと弓、矢筒などを提げ始める。その間もずっと顔はぶすっとしている。
「……昨日なんかあったんかの?」
顔を覗きこみヨウは尋ねた。
というのも、昨日はヨウと真一は別行動をしていた。真一が黙ってどこかへ出かけようとするので、その後について行こうとするとなぜか拒絶された。拒絶する割りに、どこか嬉しそうな照れているような表情を浮かべていた。思い当たる節はあったものの、気遣いそれ以上追求はしなかったのだ。――それが、これである。ノロケ話など聞きたくはないが、その逆なら面白そうだ、そう思いヨウは面白半分で聞いてみた。
「……どうせ俺が期待したのが悪かったんだ。しょうがねぇよな」
「……は?」
ぶすっとしていた顔が一転、深くため息を吐き出しがっくりと肩を落とした。
「何のことじゃ?」
「ある奴にさ、バレンタインの話をしたんだよ」
「バレンタイン? なんじゃそりゃ」
ヨウは首を傾げた。というのも、アラウにはそのような習慣はなく、チョコという食べ物も存在しない。真一もそのことは重々承知していた。そのある人物に対し行った説明と一緒の内容をヨウに話した。
「……なるほどのぉ。チョコという食べ物を送る日なのか。チキュウは面白い習慣が多いのぉ」
「それでさ、そういう話をしたからもらえると思ったんだけどよ……。もらったのがさ……これなんだよ」
そういってトートバックの中から取り出したのは、真っ黒な球体だった。近くにいるわけでもないのに、焦げ臭さが鼻に付く。それにはヨウも顔をしかめ、鼻をつまんだ。
「な、なんじゃこりゃ! 明らかに焦げとる!」
「だよな。……俺って所詮その程度のものなのか思ってさ。はぁ……話が理解できてなかったのかぁ?わかんねぇ……」
再びため息を漏らし、重い足取りで部屋から出て行った。
横顔を見れば、俯き加減で目も死んでいる。よほどショックだったらしい。その食べ物には見えない黒い物体だが、真一は捨てることなくトートバックの中へと入れている。入れているはずなのに、臭いが鼻にこびりついてしまい今でも臭う。捨てないということは――気持ちも同じなのだろう。
「……聞いてみるんじゃが、その、チョコというものについて、説明はしたんかの?」
「はぁ? チョコはチョコだろ、説明のしようがねぇよ」
というとまた大きくため息を吐いた。
――自業自得じゃの。
ヨウはその黒い物体の意味を理解できた。が、それを合えて説明はしなかった。ただ一番かわいそうだとは思うのは、真一から説明を受けた人物だった。
――ま、大体誰かは予想がつくがの。
いつもより低く感じる肩の上、ヨウは一人心の中で笑っていた。
ある町のある一室。窓の近くに置かれる椅子に腰掛け、まだ暗い夜明け前の空を見上げていた。窓越しから見える星は淡く光放ち、遠くの山の影からはうっすらと光が漏れつつある。
もうすぐ夜が明ける。
ある意味、男にとって勝負の日なのだ。といってもそれは地球にいる時の話だったが……。
「……なんじゃ……もう起きとんか」
「あぁ」
ベッドから眠たい目を擦りつつ、ヨウが顔を出した。
「今日はこの町でゆっくりするんじゃろう? わしはまだ寝るぞ……」
「おやすみ」
再び頭から布団を被ると、再び規則良く布団が浮き沈みを始めた。小さな寝息が真一まで届く。
思わず頬を緩め、再び外を眺める。――もうすぐ夜が明ける。
◇ ◇
「なんじゃその顔は。ぶすっとして」
「……そんな顔してねぇよ」
とか言いつつも、ヨウを睨みつける。眉に皺を寄せ、視線を落としている具合からどうやら機嫌が悪いらしい。昨日はうきうきとしていたはずだった。それが今朝からこの調子である。
「もうこの町には用事はないじゃろ。行くならさっさと行ったほうがええんじゃないか?」
「わかってる、今から出る準備すりゃいいんだろ」
というと、だるそうに立ち上がり、トートバックと弓、矢筒などを提げ始める。その間もずっと顔はぶすっとしている。
「……昨日なんかあったんかの?」
顔を覗きこみヨウは尋ねた。
というのも、昨日はヨウと真一は別行動をしていた。真一が黙ってどこかへ出かけようとするので、その後について行こうとするとなぜか拒絶された。拒絶する割りに、どこか嬉しそうな照れているような表情を浮かべていた。思い当たる節はあったものの、気遣いそれ以上追求はしなかったのだ。――それが、これである。ノロケ話など聞きたくはないが、その逆なら面白そうだ、そう思いヨウは面白半分で聞いてみた。
「……どうせ俺が期待したのが悪かったんだ。しょうがねぇよな」
「……は?」
ぶすっとしていた顔が一転、深くため息を吐き出しがっくりと肩を落とした。
「何のことじゃ?」
「ある奴にさ、バレンタインの話をしたんだよ」
「バレンタイン? なんじゃそりゃ」
ヨウは首を傾げた。というのも、アラウにはそのような習慣はなく、チョコという食べ物も存在しない。真一もそのことは重々承知していた。そのある人物に対し行った説明と一緒の内容をヨウに話した。
「……なるほどのぉ。チョコという食べ物を送る日なのか。チキュウは面白い習慣が多いのぉ」
「それでさ、そういう話をしたからもらえると思ったんだけどよ……。もらったのがさ……これなんだよ」
そういってトートバックの中から取り出したのは、真っ黒な球体だった。近くにいるわけでもないのに、焦げ臭さが鼻に付く。それにはヨウも顔をしかめ、鼻をつまんだ。
「な、なんじゃこりゃ! 明らかに焦げとる!」
「だよな。……俺って所詮その程度のものなのか思ってさ。はぁ……話が理解できてなかったのかぁ?わかんねぇ……」
再びため息を漏らし、重い足取りで部屋から出て行った。
横顔を見れば、俯き加減で目も死んでいる。よほどショックだったらしい。その食べ物には見えない黒い物体だが、真一は捨てることなくトートバックの中へと入れている。入れているはずなのに、臭いが鼻にこびりついてしまい今でも臭う。捨てないということは――気持ちも同じなのだろう。
「……聞いてみるんじゃが、その、チョコというものについて、説明はしたんかの?」
「はぁ? チョコはチョコだろ、説明のしようがねぇよ」
というとまた大きくため息を吐いた。
――自業自得じゃの。
ヨウはその黒い物体の意味を理解できた。が、それを合えて説明はしなかった。ただ一番かわいそうだとは思うのは、真一から説明を受けた人物だった。
――ま、大体誰かは予想がつくがの。
いつもより低く感じる肩の上、ヨウは一人心の中で笑っていた。
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