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何気なく思うことを綴るぐだぐだブログ。
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プロフィール
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ぱくどら
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1986/12/11
趣味:
野球観戦
自己紹介:
小説家になろうで作者登録しています。
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文章構成も文章表現も下手だと思います。。なんとか皆様の心に残るような作品を書くことを目標に頑張っています。
隠れ家のpassは syousetukaninarou
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明日の深夜、サモチェリを更新します。前々から言っておりますがヨウの過去話です。
ですが、長くなってしまい二話に分けることにしました。
きっと、過去から始まると読者の方の観覧ががくんと減るのではないかと予想します(;´Д`A

飛ばして読みたい方……もっと完結に過去を知りたい方……。

ヨウのしゃべり言葉で、一人称で書いた過去話をここに載せます。
文字数は3170字です。
続きから読めます。……まだ見たくない方は、お気を付けください。

あ、本編で更新するのは三人称ですので……。よろしくお願いします<(_ _*)>

 今思い出しても、自分が不甲斐ない。
 自分が犠牲になっていれば、マスターの身を守れたかもしれん。
 それが今生の別れとなっても――姫が笑って生きてさえいればそれでよかった。

 別れの日は、ある朝の出来事じゃった。
 それまでに、姫もわしも何かがおかしいとは感じておった。そう感じ始めたのは、真一らも知っておる『サモナー政策』が施行してからじゃ。
 それまでアラウは大変な食糧難での。全てを魔術に頼るアラウにとって、食料を生み出せるのはサモナーしかおらんかった。じゃが、サモナーになるための土魔元素を取り入れるものはあまりおらん。使魔と契約しとるのは、大概兵士か貴族しかおらんかった。それらがいくら食料を供給しても、全国民に行き届くはずもなかった。
 そこで『サモナー政策』が発表されたんじゃ。
 じゃが、それを決める時、国王は統治者やマスターに相談をせんかった。唯一相談した相手が、ダック公爵じゃ。いきなり現れた奴で、統治者たちは誰も会ったことはない。情報は一切なく、その頃から統治者たちは不安視していたそうじゃ。
 わしとマスターは何度か会ったことはある。
 男の老人。珍しい白髪で肩まで伸ばし、いつも片手に杖を持っておった。こけた頬に窪んだ目元――何か薄気味悪い奴じゃったよ。じゃが、それを国王は信頼しきっておったんじゃ。

 その日は珍しく、マスターは朝早くに目を覚ました。まだ太陽が昇っておらん、薄暗い朝じゃった。
 神妙な面持ちで「サモナー政策をやめるよう、国王に進言する」と言っておったか。それまでマスターは、民の間に貧富の差が生じておったことを知っておった。さらには、わしらの血が流れることにも心を痛めておった。丁度、その頃から国王の体調も崩れての。それもどうやらサモナー政策が原因で、己を責めているようじゃったんじゃ。
 じゃから、わしはやめるよう言ってみたらどうかとマスターに言った。マスターもその意見に賛同し、さっそく国王に会いに行こうとした。
 じゃが、その時は会えんかった。
 向かう最中、ダック公爵たちと鉢合わせしてしもうたんじゃ。ダック公爵と、マスクとトグじゃ。トグは昔から顔を知っておった。マスクとはあれが初対面だったの。今よりも、表情のない男じゃったよ。あの頃から白い仮面をしておった。
 とにかくまぁ、鉢合わせてそのまま行こうとしたんじゃが、ダック公爵がどこへ行くのかと訪ねてきた。マスターは言いたくない雰囲気じゃったが、相手は魔天族、しかも国王の友人じゃ。仕方なくマスターは白状した。
 すると、様子が一変に変わっての。どこか威圧する風で、マスターでさえも言葉を失うほどじゃった。
「サモナー政策はこの国を支えている」この言葉にマスターは言い返せず、ひとまずその場は部屋に戻ることにしたんじゃ。……今思えば、あの時もっと注意しておけばよかったんじゃ。

 その日の朝、太陽は昇りようやく城に光が差し込んだ辺りじゃ。
 朝食を済ませたマスターは、急ぎ足で国王の部屋へと急いでおった。やっぱり納得できんかったんじゃ。わしも、ダック公爵の態度が気になっておった。まるで邪魔するな、と訴えるような言い分じゃったからな。
 国王の部屋は城の最上階。階段を上って、あとは廊下を進めば着く――その時じゃった。
 いきなりマスクとトグが現れた。最上階は王族か来賓しか入れる階じゃ。わしら二人は驚いた。まるで待ち伏せされていたようじゃったからな。さらに追い打ちをかけるように、後ろからダック公爵が現れた。
 そうじゃ、ダック公爵はわしらの行動を読んでおったんじゃ。
 未だに何の不都合があったのかはわからん。じゃが、ダック公爵は本気でマスターを殺そうとした。マスクとトグを使っての。じゃが、マスターはただの姫君ではない。抜群の魔力を持つティレナー――移動魔術を扱う者じゃ。簡単にマスクを吹きた飛ばしたんじゃよ。それを目の当たりにしたダック公爵は、たいそう驚いておった。予想外じゃったんじゃろうな。
 ここでわしらは、一つ確信を持てた。ダック公爵が危険人物であること、じゃ。いくら国王の出資者と言えど、姫君であるマスターに手を掛けるとは言語道断。すぐさま国王の部屋に向かおうとした。
 じゃが……そこで油断をしたんじゃ。
 今でも忘れん。
 あのダック公爵が浮かべた笑み。淀んだ目。歪んだ口元。
『……イッチ姫様。私は、ただ融資をする魔天族ではありません。ほしいものは何でも手に入れる。それが金だろうと、人だろうと、魔術だろうと……全てだ。そして今私が一番ほしいもの……この国と貴方の力ですよ』
 そう奴は言い放った。そう言うや否や、吹き飛ばしたマスクがマスターを羽交い絞めにしたんじゃ。それを振り払おうとしたんじゃが、横からトグに殴り飛ばされた。そして、ダック公爵は抵抗するマスターを厭らしい目で見ておった。その手が姫に触れようとするのを見て――わしは切れた。
 ただ一目散に突っ込んだ。その手を目掛けて。じゃが途中でトグに邪魔され、結果マスクの背中に体当たりする形となったんじゃ。
 振りほどいたマスターはそのまま身を翻し、国王の部屋へと走って行った。正直わしはそれを見てほっとしておった。マスターが自由になったことと、国王に報告できるのは確実と思っておったからの。
 じゃがそれが甘かった。

 突然ダック公爵が杖から刺々しい光線を放ったんじゃ。それが姫に伸びる様は、あっという間の出来事でどうすることもできんかった……。
 それを受けた姫は身動きがとれんくなっておった。わしも頭が真っ白になった。姫に触れようにも、その光線が身体全体を覆っておって触れることもできん。呼びかけても虚ろな眼差しで、生気を感じんかった。
 頭に血が上ったわしは、ダック公爵を睨みつけた。一体何をした、と訴えたんじゃ。じゃが……ダック公爵は答えんかった。代わりに、マスクとトグが本気でわしを殺しにかかってきた。
 いくら素早いわしと言えど、二対一では不利じゃ。ましてや相手は魔物ではなく、魔力が高い使魔と人間。トグの攻撃を避けておったら、マスクの攻撃をもろに受けてしまったんじゃ。あの黒い渦は……人の生気を吸う。わしも途端力が抜け、動くこともままならんくなった。呼吸さえ困難な状況じゃった。
 あぁ死んだか、そう本気で思ったわい。固まるマスターを見上げて、本当に申し訳なく思うた。
 じゃが……その時マスターが動いたんじゃ。
 相変わらず光線が身体全体を覆っておる。じゃが、ぎこちなく顔が動き、はっきりとした瞳をわしへと向けたんじゃ。
 しかし、目の前にダック公爵が迫っておった。逃げることもできんし、例え逃げても廊下じゃ。出入り口である階段はダック公爵が塞いでおった。半ば諦めておった。
 じゃが、その時じゃった。
 マスターが震える身体で、わしを掴み上げた。驚くわしに、マスターは目を細め笑いかけてくれた。そして……言った。
『待っているから』
 その言葉とともに、わしは意識を失った。

 おそらくじゃが、マスターは異空間移動をしたんじゃろう。それしか考えられん。そこでわしは地球へと飛ばされ、真一とぶつかったんじゃ。

 わしは……絶対忘れてはならんことを忘れておったんじゃ。
 マスターは……姫は……わしのかけがえのない存在じゃった。なのに、守ることもできず、逆に姫はわしを逃がしてくれた。
 どうして忘れてしまったのかの……あの顔を。
 あの最後に見た顔は、本当に美しい、よく姫が見せてくれた笑顔じゃった。それを、それをわしは……守れんかった。
 わしは、必ずマスターに会わねばならんのじゃ。マスターは生きておる。絶対にな。
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